参照元:熊本県警察|熊本県内の犯罪情勢(令和7年9月末現在)
熊本県警察が発表した令和7年9月末現在の犯罪情勢(暫定値)分析によると、県内の刑法犯認知件数が増加傾向にあることが判明。令和5年から2年連続で増加し、令和6年には6,722件に達している。これは、コロナ禍からの社会活動正常化に伴い、犯罪数が再び増加に転じたものとみられる状況だ。
犯罪の内訳:自転車盗と詐欺が深刻な状況
刑法犯の内訳を見ると、身近な窃盗犯と特殊詐欺の多発が目立つ。
1. 最も多い「自転車盗」(窃盗犯)
刑法犯の中で最も多いのが自転車盗で、令和6年には1,556件発生。
- 被害傾向:被害の約82%が無施錠という点が要チェック。鍵のかかっていない自転車が狙われる傾向が顕著だ。
- 被害者・加害者:被害者、加害者ともに学生・生徒が最も多く、それぞれ約68%、約53%を占める。
2. 被害が深刻な「電話で『お金』詐欺」(特殊詐欺)
特殊詐欺、特に「電話で『お金』詐欺」の被害が増加し、認知件数、被害額ともに過去5年で最多を記録した。
- 手口:ATMを利用した還付金詐欺が最も多い。
- 新たな傾向:SNSを利用してターゲットと信頼関係を築き、投資や恋愛感情に付け込んで金銭をだまし取る手口も増えており、警戒が必須となる。
その他の課題
窃盗犯が刑法犯全体の約68.6%を占めるほか、子ども・女性への声かけ事案が年間約1,000件発生している状況だ。また、刑法犯検挙者のうち再犯者が占める割合(再犯者率)が高い水準にあることも、犯罪抑止の大きな課題となっている。
対策:私たちにできること
安全・安心なまちづくりを実現するためには、私たち一人ひとりの防犯意識と行動が不可欠だ。
- 自転車の鍵かけ:被害を防ぐ最も基本的な対策。自宅でも必ず鍵かけを。
- 詐欺への警戒:「お金」の話が出たら詐欺を疑い、すぐに家族や警察に相談することが重要だ。
- 地域の連携:地域のパトロール活動などに参加し、子どもや高齢者を見守る体制強化が必要となる。