松合集落(宇城市)

松合集落は遺ることでその物語を遺すことができた好例と言えよう。

松合集落の白壁は美しい。江戸の情緒を令和の今に伝えている。江戸時代には肥後熊本藩の漁港のひとつとしてとても栄えていた。

自然と商業も賑わい、醤油や酒造などが発達し、船問屋なども興り、明治30年ころが最盛期だったらしい。

火災に悩まされる

賑わっていたが、半島の狭い土地に民家が密集していることから火事のたびに大きな被害が出る。

文政9年(1826)229戸、同11年(1828)269戸、天保元年(1830)315戸、安政元年(1854)141戸が火災で焼失。なかなか甚大な被害である。

旧・富岡街道に並ぶ白壁はかつての繁栄を偲ばせる。

台風の高潮被害

平成11年9月24日の早朝、台風18号が天草下島付近から島原半島の南端を通過し、湾奥に位置する松合地区周辺を高潮が襲った。

高潮は、地区内の船溜りの護岸を越水し、護岸に囲まれ護岸天端より約2.5m程も低い位置にあった集落に浸水し、家屋の水没で12名が犠牲となった。

古きよみ町並みと災害について考えることのできる集落となっている。

松合集落 アクセス

  • 所在地
    熊本県宇城市不知火町松合
  • 駐車場
    まっちゃふれあい公園に3台ほど駐められる