石の本遺跡 群は3万年のものと思われる局部磨製石斧・ナイフ形石器・スクレイパーなどが約3,000点発掘されている。 熊本県内でも最も古い石器が出土して、人々の暮らしの「始まり」の足跡がここに見られる。

最終的には10万点以上の遺物が出土し、旧石器・縄文・弥生古墳・中世までの長きにわたる複合遺跡であることが確認され、現在でも後世に伝えるために土を被せて遺跡保存を行っています。

石の本遺跡群 案内板

石の本遺跡 群の詳細

石の本遺跡 群は熊本市東区平山町字石の本にあります。 平成11年の「くまもと未来国体」の会場に指定されたので、平成6年から調査が行われたことがきっかけで、様々なことがわかったみたい。

旧石器時代だけで3層

当時の調査で最も注目されたのは、旧石器時代の生活跡が三つの層に分かれていたこと。 三つの層のうち最新の石器は、約24000年前の層から出土したもので、ナイフ形石器や台形石器と、それらを加工するためのハンマーや、作るときにできた剥片・砕片と呼ぶ石屑など約3000点の石器が出土したそうです。

二番目の層からは、小型のナイフ形石器や敲石・剥片・砕片など約200点が出土。  さらにその下層からは、局部磨製石斧・台形様石器といった道具や敲石・剥片など約500点の石器が出土。

この局部磨製石斧は後期旧石器時代のなかでも、約30000年前後の古い時期に現れる特徴的なもので、石器の一部分を研磨したものです。 どうやら動物の解体に使用してたらしい。

石器は集中したところで見つかっていることから、制作する場所が決まっていたであろうこと。また、火を使った形跡が長年に渡り近接していることも特徴的なのだそうです。

古墳時代の層

1500年程前の古墳時代の人々の暮らしの痕跡も見つかったようです。 複数回行われた発掘調査で合計8軒の「竪穴住居」という家屋の種類です。
ここから出土する土器の殆どはおそらく飲食料の蓄えに利用していたようです。 一部祭祀に使ったのではないかと思われる物もあったとか。
このように小山山の東麓には、山の斜面上という一見住みにくそうな立地条件であっても懸命に生きていた旧石器時代から古墳時代の人々の足跡が残されていたのです。

写真の案内板は熊本県立総合運動公園の中にあります。