
ファッション業界では誰もが知る名前、有田正博(1952年、八代市生まれ)を紹介する初めての展覧会「PERMANENT MODERN 有田正博の眼」が、不知火美術館にて開催されます 。有田氏は、50年にわたり熊本から独自のファッション文化を発信し続けてきた伝説的な人物であり、日本のファッションシーンにおいて「セレクトショップ」の原型を作った一人とされています。有田は、東京と同時期、時にはその先端をゆく海外ファッションを熊本に導入し続けてきました。
インターネットも携帯電話もなかった1970年代から、まだ無名だったポール・スミスやマーガレット・ハウエルをいち早く見出し、常に「まだ誰も見たことのないもの」を選び抜いてきたその独自の審美眼で築いた軌跡が、故郷・熊本から発信されます。
概要
本展は、有田氏が拠りどころにした「眼」と「手」だけを頼りに選び取り、紹介してきた純粋な眼差し、"永遠のアマチュアイズム"ともいえる創造性を明らかにするものです 。有田氏の「かたちは服や靴かもしれないけど、芸術やってるんだという気持ちです」という言葉が示すように、彼の営みは、見ること、選ぶこと、そして装うことを創造的な行為へと変えました 。
この展覧会は、ものや情報にあふれる現代において、「自分の眼で見ること」をあらためて問いかける機会となります。
展示作品紹介




本展の見どころ
- ファッション業界でも一目おかれる有田正博氏の審美眼を紹介する初の展覧会です 。
- 有田氏自身の多岐にわたるコレクション(ファッション、家具、絵画、工芸、そして趣味の釣り道具やドラムセットまで)や、歴代ショップに関する貴重なアーカイブを展示します 。
- 有田氏と親交が深い熊本のアーティスト、坂口恭平氏との対談映像が会場で上映されます 。
- 異なる時代やブランドのアイテムを大胆に組み合わせた、「パーマネントモダン」のショーウィンドウを再現し、定期的に展示替えを行います 。
【開催概要】
| 項目 | 詳細 |
| 展覧会名 | PERMANENT MODERN 有田正博の眼 |
| 会期 | 2025年12月6日(土)~2026年1月28日(水)(会期中無休) |
| 開館時間 | 9:00~18:00 (土曜日は21:00まで) |
| 会場 | 不知火美術館 |
| 観覧料 | 一般 300円、高大生 200円 、中学生以下 無料 |
| 主催 | 宇城市不知火美術館(指定管理者 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社) |
【有田正博氏プロフィール(1952年、八代市生まれ)】

「有田正博、自邸にて」
2025 年撮影
写真:白木世志一
- 中学時代、同級生が履いていた米軍配給の「リーバイス」のジーンズに興奮し、ファッションに目覚める。
- 1976年「アウトドアスポーツ」を開店し、その後「ロープ」「プレイズ」「フェローズ」などセレクトショップを立ち上げ、熊本で海外の最先端ファッションを紹介。
- 1980年代半ばには「ポール・スミス熊本」や「マーガレット・ハウエル」を開店。
- 1999年に「パーマネント」をオープン。
- 2024年冬に集大成であり最後の店「パーマネントモダン」を閉店。
- 現在は趣味の釣りとジャズ・ブルースドラムに没頭する日々を送っています。
【関連イベント】
関連イベントの詳細については、ウェブサイトおよびSNSにてお知らせされます。ワークショップ、トークイベントは12月1日(月)より受付開始です。
| イベント | 日時 | 登壇者・講師 | 会場/定員 |
| LIVE ARLY MAC & THE FOREST | 12月6日(土)18:00~19:00 | 有田正博氏が率いる Blues & Soul バンド | 展示室 / 着席先着20名(予約不要) |
| ワークショップ「くつのオーダー体験」 | 12月21日(日)11:00~、13:00~、14:00~(各回50分 | 佐々木基行・木村幸寛(OTOPE)、パーマネントモダンスタッフ | アトリエ(大) / 各回8名(要予約) |
| トークイベント | 2026年1月11日(日)13:00~14:30 | 有田正博氏、勝勇氏 | ブック&カフェエリア / 30名(要予約) |
| ワークショップ「プラモデルのランナーを使ってジュエリーを作ってみよう」 | 2026年1月25日(日)10:30~、14:00~ | 小嶋崇嗣氏(ジュエリーアーティスト) | アトリエ(大) / 各回10名(要予約) |
すべての関連イベントは無料で参加できますが、展覧会チケットが必要です。
不知火美術館・図書館
宇城市の「不知火美術館・図書館」は、美術館と図書館が融合した独特な文化施設です。2022年4月にリニューアルオープンし、「誰もが創造性を育み発揮する」をコンセプトに掲げています。美術館では宇城市ゆかりの世界的芸術家の作品を展示し、図書館は知の拠点として機能しています。建築は不知火現象をイメージし、95mの連続した外観とアルミルーバーが特徴的です。施設内にはBook&Café、学習室、アトリエなどが充実し、芝生広場でのイベントも開催。アートと知的好奇心を刺激する空間で、地域の文化発信拠点として注目を集めています。
公式ホームページ:https://www.museum-library-uki.jp/
- 交通
産交バス 宇城市不知火支所前 下車すぐ
JR鹿児島本線 松橋駅 10分 - 所在地
熊本市東区新南部6丁目1−13 - 駐車場
152台 無料


